朱美ちゃんが私にとってリアル『遠野物語』だと

判明したからには、聞きたい事がいっぱいある。
秋田の山奥集落といえば、まず思い出すのがマタギ集落だ。
朱美ちゃんはマタギの子孫なのか。
田んぼと畑のある農家だと朱美ちゃんは言っていたが、そういったことには興味がないらしい。
今度帰ったら親に聞いてみると言ってくれたが、当分帰るつもりもないときた。
まさか実家の歴史を親に電話して聞いてくれとも言えないし。
売れっ子の朱美ちゃんは、カウンターの中をあっちへ行きこっちへ行き。
私の個人的な酔狂な質問に構っている暇はないのである。

今度居酒屋で飲もうねーなどと営業スマイルたっぷりで誘ってくれるが、私としてはその後の同伴というやつがどうも苦手というか気が引けて今までは遠慮していた。
だが、事態はこの日急転したのである。
朱美ちゃんの子供の頃の体験や見聞きしたことなど、忘れていることも多々あるだろう。
何とか記憶の底を揺り起こしてみたい。
集落の祭りや行事、しきたりや伝承、両親や親戚一同がどんな話をしていたか。
周囲に家が3軒しかないような山奥の暮らしぶりとはどんなものだろう。

テレビもラジオもない時代の冬の夜なんか、何してたんだろうねえ。
私がそう聞くと朱美ちゃんは「やるしかないじゃん」とニコニコと明朗に言い放ち、がっくりと脱力した私は、ただ笑うしかなった。
だが、いま思い出してみると、あの時ケラケラ笑っていた朱美ちゃんの一言には、ウケ狙いがあったとしても、向こう三軒両隣という環境が当たり前で育った私にはうかがい知れない、真実の凄みというものが含まれていたのかもしれない。

お誘いして、居酒屋で飲むのはいいとして、一つ問題がある。
朱美ちゃんはいわゆる『ザル』である。
好物のワインなど、一本空けて「ちょっと酔ったかなあ」と言いながら、傍からみるとケロッとしている。
近年、急速に柔になっていく私の肝臓では、とても太刀打ちできる相手ではないのだ。
ビール、焼酎、敵じゃなしの朱美ちゃんにとって、日本酒だけは「ちょっとヤバイ」らしい。
記憶が飛ぶというのだ。
だからといって、酒乱になるとかいうわけではなく、家に帰って片付けとかはしているらしく、取り込んでおいた洗濯物はきちんと畳んであったりするのだが、記憶がすっぽり無かったりするらしい。
日本酒は言うまでもなく日本古来の酒であり、それが酒豪の朱美ちゃんに独特な作用をもたらすということに、私は不思議な因縁みたいなものを感じると云えばこじつけになるか。

さて、私はどこまで朱美ちゃんに迫れるだろうか。
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初めて聞くことばかりの朱美ちゃんの

話しから推測すると、彼女の実家はどうやらその土地の旧家で、かなりの豪農だったようだ。
宴会用の大広間まであるというから、まるで旅館並みではないか。
なぜもっと早く教えてくれなかったのかなどと恨んでも、たまにしか店に顔を出さない私が悪いのだが。
朱美ちゃんは一人娘だそうな。
朱美ちゃんが跡継ぎにならないと、将来誰も居なくなって家は廃屋になるよと私が言うと、そっかー、今まで考えてもみなかったと表情が少し翳った。
親はいつまでもいないのだよ。
だが実家で暮らすのは「もう無理」らしい。
まあ、そうだろうなあ。
朱美ちゃんが、もう故郷には戻らないとなると、大きな屋敷も、本当に空き家になるのだろうか。
蔵にいっぱい貯蔵してあると言う漬物はどうなるのか。
屋根が茅葺きかどうか聞くのを忘れた。

ある日、一家で出掛けて戻ってきたら、冷蔵庫のドアが開いていて、中の食品が食い散らされていたそうだ。
猫は冷蔵庫のドアを開けたりしないので、タヌキの仕業だろうということになったらしいが、私は疑問だ。
タヌキに、はたして冷蔵庫のドアを開ける知恵があるのだろうか。
前足を器用に使うとなると断然熊だと思うが。
そこは深く追求はしなかった。

朱美ちゃんが秋田の出身だということは

聞いて知っていた。
だが、それ以上のことは、これまでとくに話題に上ることもなかった。
朱美ちゃんは色白の小柄な丸顔で、秋田美人といえば、そう言えなくもない。
以前からちょっと太めだったが、少し見ないあいだにひと回り、さらにちょっと太めになった。
不摂生な食生活をしているに違いない。
ダイエットしろよなどと言ってやりたいが、余計なお世話だろうし、本人が気にしていたらマズイので言わないことにしている。
年齢は今年33になるそうだが、商売柄ずっと若く見える。

さて、そんな朱美ちゃんの故郷の実家の話は、私がカブ君を買って以来、山梨などの廃村や山岳集落にハマッているという話題から始まった。
ダラダラした酒飲み話の、以下はその要点である。

朱美ちゃんの実家について。

秋田のかなり山奥にある。
自分の家を含めて、周囲に家は3軒しかない。
家は大きい。
部屋がメチャクチャ多い。
玄関がやたらに広い。知らない人が来たらびっくりするくらい広い。
それ、土間じゃないのと聞いたら、ちがう、玄関だと言う。
三つの続き部屋が仕切りの襖を外すと、親戚一同が集まって宴会をする大広間になる。
蔵がある。
蔵の鍵を開けるには、と言って朱美ちゃんは右手に棒のような物を握って、それを逆手でこね回すような手つきをしたので、南京錠などではなく、昔の古いカラクリ形式の鍵を今でも使っていると推測される。
夜になるとパキーンというラップ音がする。
夜中に階段をミシッミシッと誰かが降りてくる音がするが、それは途中で止まり決して下までは降りてこない。
亡くなったお婆ちゃんが、昔はよく遠くの藪を人魂が飛んでいたと言っていたそうだが、朱美ちゃんは見たことがない。

リアル『遠野物語』が、私の目の前にいた。

サンバ君の『車中泊、場所によっては

夜の闇に溶け込みたい』仕様は遅々として進まない。
ようやく荷室の窓4面のシェードが完成した。

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出来栄えはお世辞にもいいとは言えない。
もうちょっと何とかならんかなあ、とは思うが。

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細部の不備は実際に使ってみて修正するしかない。
リアゲートの窓ガラスは黒い布をマグネットクリップで留めることにした。
挑戦しても無駄だと、端からあきらめました。

次はいよいよ運転席のドア窓だなあ。

宮ヶ瀬の桜はどこもかしこも、

すっかり満開でしたね。

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走り慣れた道も、今日は格別な気分です。

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左肩の具合もかなり良くなりました。
なにせ一時は、ちょっと左腕を伸ばしただけで、その角度というか場合によっては激痛が走り、あまりの痛さに声も出せず、その場でしばし硬直するという有様でしたから。
マジでヤバイ状態でした。
この先どうなるのかと、暗澹たる思いでしたね。
今日はカブ君でギャップを通過しても平気です。
普通に乗れます。
治療法といっても特にないです。

寝る前に市販の湿布薬を貼る。
枕をそれまで使っていたものより少し高く、固めのものに換えた。
ひょっとして左肩になにか取り憑いているのではないかという疑念が湧き、神社にお参りした。
以上3点です。
参拝した神社は、先日肩の痛みをこらえて桜見物に来た帰りに立ち寄りました。
この神社は、宮ヶ瀬方面に来ると、ちょくちょく利用する公衆トイレのすぐ近くあります。
『ふれあい』は人が多いので、ここはいつ来てもほとんど誰もいません。
それで、ついでにと言ってはなんですが、ふと思い立って参拝したわけです。
まさに困ったときの神頼みってやつです。

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たぶんダム建設の際にどこからか移設されたんでしょうね。
名前も知らなければ御祭神がどなたかも知りません。
ともかく、明くる日から左肩は快方に向かい、今でも痛みはありますが、この程度ならなんとか折り合いをつけてやっていけそうです。
私としては枕を換えたのが一番効果があったのかと思いますが、今日は一応お礼参りです。
前回10円だったお賽銭を今回は100円にして二つ並んだ大小のお社にあげてきました。
この神社、参拝した後は妙にすっきりした清々しいというか晴れ晴れとした気分になります。
私の個人的なパワースポットとして認定させていただこうかな。

帰りは御論堂林道を通って帰りました。
路面からの衝撃も、もう平気なんでね。

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こんなに桜の木があるんですねえと、休憩していたチャリダーがカメラを構えた私に言いました。

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こういう記事をアップする場合、事実を面白半分に誇張したり歪曲したりは致しません。

どうやら左肩の痛みは、

いわゆる50肩というやつらしい。
ちょっとした左腕の動作で痛みが走る。
セーター類の脱ぎ着は特に苦痛である。
思わずイタタタタと声が出る。
検索してみると、これに悩まされる人は多いようだが、残念ながら有効な治療法はないらしい。
せいぜい湿布薬を貼って痛みを緩和するくらいか。
そのうち治るものらしいが、それがいつになるかは分からない。
困ったものである。
楽しみにしていた昨日の日曜日が、春には珍しい寒気が通過したとかで大荒れの天気となった。
桜は年に一度のイベントなので、時間の都合をつけて宮ヶ瀬へ行ってみた。
左腕を安静にしていても治るというものでもないらしいので、それならと、カブで出かけた。
カブ君は今年初乗りになる。
後輪が路面のギャップを拾ってショックが伝わるたびに、左の肩甲骨辺りに鈍い痛みが伴う。
尻を浮かせるようにして、なんとかやり過ごすが、うっかりまともに突っ込んだりすると思わずうめき声が出る。
それでも、やはり久し振りのカブツーは楽しい。

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この日はいまだに寒くて冬装備でちょうど良いくらいだったが、さすが宮ヶ瀬。
下界の桜はとっくに散り始めているというのに、ここはまだ満開には至らない。

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見頃はこの土、日あたりか。

道志旧道の桜並木。
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通りすがりのお婆ちゃんが「まだ明るくなってないねえ」と言った。
そういう表現もあるのか。
満開になったらさぞかしパッと明るく映えるんだろうなあ。

近年、とんとご無沙汰の青野原オートキャンプ場の桜。

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ここでキャンプすると、焚き火の明かりに照らされて見上げる夜桜が綺麗なんだよねえ。

桜で賑わう山々。
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田代運動公園の桜並木。
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さて、何が悲しいって、今回は駆け足で見て回っただけで、酒抜きです。
寒気め。
選りによって週末を狙い撃ちしてくるとは。
自然に向かって恨み言いってもしょうがないが。
プロフィール

Author:sichirin
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