梅雨があけると同時に猛暑が襲い

毎年のことだが仕事量は増大し、残業、休出当たり前の夏がやってきた。
もう一度訪ねたい芦川村は、今は遠い。
夏休みも、今年は何日取れるのやら。
それはさておき、芦川村にはしもた屋風の家屋は見当たらなかった。

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クルマ社会以前の旧メインストリート。

何らかの商いを営んでいたと思われる、格子戸のある間口の広い家屋が、この地にはほとんどないなのだ。

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画像右端の家屋が、この村唯一の雑貨屋さんらしい。

旅人は何処で疲れた体を休め、空腹を満たしたのだろうか。

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裏道に入ってみると、

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手の届くところに屋根がある。
何十年か前は茅葺きだったのだろうなあ。
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茅葺きの家屋は全滅したのか、というと

そうでもなくて、ちゃんと保存してあります。
まずはこの一軒。

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NPO団体が管理しているようです。

もう一軒が『藤原邸』

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ここは凄いです。

座敷に上がっていいですか?
はい、どうぞ。
撮影していいですか?
はい、どうぞ。
二階に上がっていいですか?
階段が急ですけど、上がれればどうぞ。

転げ落ちても自己責任で。
いや、これは冗談です。

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修理、復元されたとはいえ、移築でもなく、もともとあった築300年(と言ってたよなあ)の古民家を心行くまで堪能できます。
どうやって堪能するんだと聞かれても困りますが。
囲炉裏端に腰をすえてみるとか、座敷に寝転んでみるとか。
ここは大らかなので。
縁側に座っていただいたお茶は美味しかった。

こういう展示型の古民家は安全上の理由から、2階はたいてい立ち入り禁止の場合が多いですが、ここは違います。

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時代を経て、床も柱も壁板も、すべて黒光りしてます。
もともとは白木だったはずですが、磨き上げたように黒く鈍く光っています。
最近、ポリーマー加工とやらでヌメヌメと黒く光るブラック塗装のクルマが目に付きます。
なんとなく違和感を抱いていました。
言葉にうまく言えないですが、品がないというか。
理由が分かりました。
かつて数学者の岡潔博士は「情緒は日本人だけのもの」と言っていた、そうです。
人工的な黒光りには深み、情緒がないわけですね。
風情と言い替えもできると思いますが。
納得できました。
古民家からクルマの話に脱線してしまいましたが。
長い時間と、手間ひま掛けなければ得られないものがある。
日本人は、そのことを良く知っている民族なんです。
それが情緒や風情という言葉で言い表されるわけです。
私はここへ来て、あらためて気付かされました。

この地には、当時大工さんという専門職はいなくて、家を建てたい人は自分で山へ入って木材を切り出してきて、自力で建てたのだとか。
棟上なんかは当然村人が手伝ったんでしょうが。
理想ですね。
嫁のために自分で家を一軒建てる。
あるいは増えた家族のために、とか。
石垣もそうですが、この村の人たちは何でも自分の力でやってきたんですね。

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荒削りな大黒柱がすべてを物語っているような。

旅人相手に商いを営んでいたような

建物は見当たらない。
『鶯宿』なので、てっきり宿場町の面影があるものと思っていたのだが。
強いて挙げればこの一軒か。

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裏へ回ると、

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旅籠だったようでもあるが、

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そのにおいプンプンなんだけど。
周囲は、こんな風景だし。

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トタン屋根の下は茅葺きなんだが、今時葺き替えをするとなると300万じゃきかないらしいので、これも已むを得ないことなのかもしれない。
「惜しいなあ」くらいの感想は言えても、トタン板で覆ったりしないで茅葺きのまま残すべきだ、などと無責任な発言はできないのです。

クルマじゃ入れない細い道を山側に登って行くと、

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空き家というか廃屋が目立ちますね。

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廃屋の玄関前に放置された木の臼。

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一本の大木から切り出しているね。
餅つきのためだけじゃなさそうな立派な臼。
そば粉を練るため?
雑穀を搗くためだろうか。
古民具として保存されてしかるべき品ではないかと思うが。

渓流沿いの広い道を辿って行くと、

最初に迎えてくれるのがこの精緻に組み上げられた石垣だ。
お、スゲー。
思わずカブ君を止めた。

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この日の朝8時過ぎの気温は山中湖で17度、鳴沢附近で16度。
山中湖近くのコンビニで、メッシュジャケのライダーが「サミー、失敗した」と震えていた。
私もメッシュジャケ一枚で充分だろうと思っていたが、念のため春秋用を乗せといて正解だった。
6月はライダー泣かせの読めない天候がつづいた。

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初めて訪れた芦川村は、石垣と兜造りの古民家の村だった。

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てっぺんのお屋敷は空き家のようだ。

この村の石垣は、個人がそれぞれ一人の力で築くらしい。
だから石垣には組んだ人の性格が出ていると、話してくれた女性は楽しそうに笑った。

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この石垣を組んだ人はどんな性格だったのだろう。

林の中をよく見ると、なんと奥にも石垣がある。

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今は放置されて木が茂っているが、昔は蒟蒻を栽培していたらしい。
とんでもない山奥にも石垣は残っているという。
信じられないような山奥なんだけど、昔の人は偉いよねえと言って女性はまた笑った。
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Author:sichirin
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