大型トラックなど交通量の多い139号から

本栖道の300号線に入ると、途端に車の往来は途絶える。
強行すれば日帰りも可能な、スッパカブ君とのびのび快適に走ることができるこのエリアが気に入って、暇をみては通い始めたわけだが、当初の気楽なツーリングのつもりが、気が付けば悪路も辞さない集落探訪ツーへと様変わりしたのは、これは本末転倒というか何と言うべきか。
スッパカブ君も「おいおい、とんでもない所に俺を連れて行くなよ」などと思っているに違いない。
快適に走るどころか、一部のオフバイク乗りたちが偏愛する『ゲロ道アタックツー』の様相を帯びてきた今日この頃。

先日の新聞の朝刊に興味深い記事が載っていた。
『おっちゃん』と呼ばれるホームレスが昨年の秋亡くなったそうな。
生前彼が周囲のごく親しい人に語っていた話から推察して、彼の郷里を訪ねるという内容だった。
おっちゃんの実家は岩手であり、地区の中でもひときわ山奥の空き家がそれだった。

『小学校が一緒だった女性(68)は、おっちゃんが同級生から「山奥に住んでいるのは怖くない?」と聞かれ、「家でコメやヒエを入れている箱が空になるほうが怖い」と話していたのを覚えている。 以上引用』
亡くなったおっちゃんの年齢は69歳だった。
過酷な暮らしぶりが伺えるような話である。

このような切実な食糧事情を前にすれば、山奥に対して我々が抱く、何が出てくるか分からないといった畏怖や脅えの感情は、単なる脆弱の一言に尽きるのかもしれない。
そう思うと、なんだかまた、あのCD50に乗った昭和レトロ爺にもう一度会いたくなった。
もし運良く会えたら聞いてみたい。
「こんな山奥に暮らして怖くないですか?」
レトロ爺は何と答えてくれるだろうか。

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昔は滝でも流れていたのだろうか?
思わずカブを停めた迫力のある岩肌。
私が撮影して画像にすると、ちっともその場の迫力が伝わってこないのが泣き所だが。
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上に圧し掛かって、今にも転げ落ちてきそうな巨岩は、明らかに岩の組成が違うと思えるところが、ちょっと不思議。
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身延駅。
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23日土曜日のキャンプ客は、計5組。
車2台とバイク1台が男性ソロ。
バイク2台がカップル。
バイク組みはかなり冷え込んだこの夜に、焚き火の暖もなしでどうやって過ごしたのか。
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今まで訪ねた山間集落はどこも、あまり裕福な印象は

受けなかったが、ここは違った。
林道を下りきって、麓での分岐を川沿いに平坦な道を辿った先にあった集落は、いままで見たこともない、まさに御屋敷集落と形容できるような威風堂々とした家屋の集合だった。

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昨年走り回った際に、御屋敷と呼べそうな建物はあったが、
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比べてみれば、つましい家屋が肩を並べるようにひっそりと立ち並ぶ佇まいとは違って、ここは偉容でありまた異様でもある。
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管理はされているようだが無人集落なのだ。
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人の住まなくなった家は、傷むのも早いと聞く。
所有者の高齢化あるいは死亡などにより、保守の手が届かなくなれば、やがてこれらの建物も荒れて静かに朽ちていく運命なのだろうか。

帰ってから集落名で検索すると、

必ずと言っていいほど絡んでくるホームページがある。
『山梨の林道じてん』というやつがそれだ。
山梨県内の林道あるところ、その長短に関わらず、全てにわたって画像入りで詳細に踏破報告がアップされている。
その情熱というか努力というか、ほとほと敬服するに値する調査量なのだ。
だからといって事前に利用させてもらって、あらかじめ予備知識を仕入れて、といったことはしない。
頼りにするのはコピーした5万分の1の地図だけである。
その理由は述べるまでもないだろう。
自宅に戻ってから、あの道は、ああそうだったのかと追体験としてもっぱら活用させてもらっている。

目指した集落遠景。
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たどり着いた集落。
カメラを持ってうろついていたら、突然小型犬特有の甲高い鳴き声が上がった。
ひょっとしてまだ住人が居るとしたら、パラボラアンテナが2基付いた家屋だろうか。
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小道の地面はふかふかに軟らかくなっている。
人の往来で踏み固まることは、もうないだろう。
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ジグザグに登る特徴的なガードレールの道は、この集落最上段の一軒家まで行き着いたところで終わっている。
軒下には3,4着ほどの洗濯物が干してある。
衣類の柄はお婆ちゃんが好んで着るような地味な野良着のようだ。
だがテレビやラジオの音声や物音ひとつない。
もしかしたら廃屋であることを外部の人間の目から分かりづらくするための配慮かもしれないが。
判断しかねて撮影は控えた。
今度からこういう場合「こんちわ」とか「誰か居ますか」とか、一声掛けてみようかとも思うが。
「はいよ」と出てこられても困るか。

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突然聞こえてきた小型犬と思える犬の鳴き声はほんの一時で、その後私が立ち去るまでぱったりと沈黙したままだった。

地図を見ていて、ここは凄いだろうなと、

見当をつけた場所に行ってみた。
この日はすっかり油断して寒さを想定せず、途中で小雨用のウィンドブレーカーを上に着たりしてみたが、結局失敗だった。
午後からは少しは寒さも和らいだものの、冬用の防寒ジャケットを持ってこなかったことが悔やまれた。
トランポなんだから、放り込んどけばそれで済むことだったのに。

それはさておき、行ってきたのはこんな道だ。

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前回の御弟子集落と同じく、立派な林道がすでに開設されているが残念ながら通行止めのため、昭和15年竣工と刻印された古ぼけた杭のあった旧道を行くしかなかった。
ただでさえ幅の狭いこの道には角の尖った石ころが散乱していて、タイヤの弱い部分であるサイドにヒットさせたら、最悪バーストの危険もあるため慎重に進むしかない。
バイク乗りのなかには「こんな道見るとワクワクしてきますね」なんて言う人種がいることは知っているが、私の場合、この先に待っているであろう何かを知りたいがために突き進むのであって、好き好んでこんな荒れた道を選んでいるわけではないのだ。
それにしてもこんな場面で、フロント17インチ、ノークラッチのスッパカブ君は、実に頼もしい相棒なのであった。

通行止めだった林道の展望台。
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見下ろす風景。
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待ち受けていた廃集落。
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どっか走りに行きたいところ、ぐっと我慢して

今日はメンテナンス日ということで。
まずは230君のガソリンを、スタンドまでひとっ走りして満タンに、次いでカブ君に乗り換え満タンに。
その足で、をートバックスまで。
サンバ君のエアーフィルター購入。
帰ってカブ君のオイル交換。
オイルはG2。
続いてチェーン掃除。
洗油で洗うわけだが、

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こんな感じでリアホイールを少しづつ回しながら、ちまちま洗浄するしかないか。
と思ってやってたら、ありゃ!!クリップが付いてる。
エンドレスじゃないのか。

きょう日のバイクは、ほとんどがエンドレスチェーン。
自分でチェーン交換しようとすると、リアホイール外してスイングアーム外して、ここまでやったらついでにリンクのグリスアップでもするか、で一日仕事。
おまけにリンク部分のナットが異常に固くて往生したり。
バイク屋ではグラインダーで火花散らしてぶった切ったりする。

そうなんだ。
カブ君は今時珍しいクリップなんだ。
それを早く言えよ。
しかしこれは嬉しい誤算。
さっそく取り外して、洗油に漬けてブラシでガシガシ洗浄。
新聞紙の上に伸ばしてスプレーのグリスたっぷり吹き付けて。
いや、作業が捗るはかどる。
チェーンが若干伸び気味かなと思ったが、今回はそのまま組み付けて終了。
経費削減のためかなんか知らんが、メーカーはやっかいなエンドレスチェーンなんかやめてほしいよね。

続いてサンバ君のエアーフィルター交換。
一万キロで交換することにしている。

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けっこう汚れてますでしょ。
これで走りが劇的に変わってくれるかというと、体感できるほどの変化はないのがちょっと悲しいところだが。
ま、愛車ですから。

廃集落『御弟子』には、クルマで来た

先客がいた。
30年くらい前、子供たちを連れて、一度ここを訪れたことがあるという男性だった。

御弟子入り口の象徴的な建物。
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当時は今のような立派な道はなくて、下からえっちらおっちら登ってきたと教えられたのが、この生活道だ。

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落ち葉に埋もれ、先で崩壊している様子が見て取れた。
当時、周囲はコンニャク畑だったそうな。
畑ももう面影はないねと言って、男性は去った。

この日は時おり強い風が吹いて、連なる斜面の木々を揺らし、ザーッともゴーッとも聞こえる山鳴りのような音が、私一人だけになった廃集落を押し包んだ。

「ここの人たちの娯楽って、何だったんでしょうかねえ?」
「娯楽ねえ?あの当時の?うーん、さあねえ?」

御弟子集落遠景。
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林道の残雪。
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3月9日土曜日の精進湖のキャンプ客は、私を含めてまばらに点在した5組ほど。
雲一つない星空と、焚き火が爆ぜる音だけの静かなキャンプだった。

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昨年、すぐ真上の林道を走りながら、気付くことなく

通り過ぎてしまった廃集落『御弟子』に行ってみた。
八坂集落への旧道を駆け上がり、分岐から林道に出た。
さて、ここから目印の分校跡地へは右か左か、記憶は曖昧だ。

葉を落とした木々の間に覗く八坂集落の遠景。
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とりあえず右へ行ってみて、途中で違うなと引き返す。
左へ行ってみて違うかもと、また引き返す。
少なくなったガソリンの残量が気になって、無闇矢鱈と走り回るわけにもいかないし。
さて困ったと分岐に戻って立ち止まっていたら、バイクが一台やってくるではないか。
右手を上げて呼び止めた。
急ブレーキを掛けて停まってくれたライダー(?)は、漁師のように赤銅色に日焼けした顔のお爺さん。
バイクは大きなレッグシールドの付いた黒い車体。
このバイクは、先ほど通り過ぎた林道脇の一軒家に、白い軽バンと並んで停めてあったバイクに違いない。
去年ここを走ったとき、木々に遮られて日当たりの悪い一軒家があって、はたして廃屋なのかどうか決めかねて、結局撮影は控えたが、このお爺さんはあの家の住人なのか。

サイドカバーにCD50とあった。
車体全体が、どこもかしこも錆だらけ。
これでよく動いてるなと思えるほどくたびれている。
荷台には通称『漬物桶』といわれる黄色のポリバケツが、黒の平ゴムバンドで蓋ごと縛り付けられている。
お爺さんが頭に被っているのは、ヘルメットではなく農機具メーカーのロゴもくすんだ作業帽。
左手で、大音量で鳴らしていたラジオのスイッチを切って止めた。
文庫本を一回りくらい大きくして横にしたサイズで、スピーカー部分に小さな穴がたくさん開いた皮の携帯ケースに入ってハンドルからぶら下がっているそれは、昔懐かしいトランジスタラジオというやつだ。
このお爺さんは、昭和の中頃で、完全に時間が止まっていた。
御弟子はあっちと、自分が来た方向を指し示す。
分校の跡地と家が7軒くらいかな、残っているとお爺さん。
今でもあの家に住んでいるのか、それとも別の住居からたまに通ってきているのか、色々と聞いてみたいことはあったが、昭和レトロの塊の突然の出現に、後の言葉は続かず、ただ不躾な視線でじろじろと眺め回すのみ。
随分と失礼な行為であったと、後で反省したが。
じゃ行くからと、お爺さん。
あ、はい、ありがとうございましたと私。
発進させようとしたバイクは、ギアがニュートラル。
空吹かしでうなるエンジン。
お爺さん、バランスを崩しそうになっておっとっと。
再度トライしてもう一度ニュートラル。
また唸るエンジン。
ガチャコン。
ようやくギアが入って、お爺さんは去っていった。

廃集落『御弟子』
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道端の、こんな朽ちかけた建物を

見ると、ついカブ君を停めてしまうような私にとって

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良く整備された南アルプス街道には、興味を惹かれるような趣はほとんどなかった。
大型バイクで高速使って一気にワープ。
のんびり温泉に浸かって名物料理を堪能したら、また自宅まで一気に、みたいなツーリングスタイルの人にとっては、奈良田はお勧めかもしれないが。

白状すると、私は風呂があまり好きではないのです。
いちおう、先祖代々の日本人ではありますが、ガキの頃から風呂がどうも苦手で。
冬の寒い時期の湯船の有難さは、もちろん良く分かってはいますが。
というわけで昼間から温泉というのがどうにも。
横目で見て素通りというパターンですね。
温泉好きの人から見れば、実にもったいないというか、あり得ないということになるのでしょうが。

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土砂に埋もれた雨畑湖に架かる長い吊り橋。
半端なく揺れるので、半分行った所で引き返した。

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これも街道沿いにあった吊り橋。
途中で引き返した。
理由は上に同じ。

この街道は、走っているとこんな吊り橋をけっこう眼にした。
マニアの方にはお勧めだ。
吊り橋マニアなんてのがいるかどうかは別にして。

街道沿いの山間集落のつましい茶畑と富士山。
このお茶はきっと美味しいだろうな。
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南アルプス街道の、

どんづまり、閉鎖地点だ。

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この時期は、いつもウエアの選択に迷う。
コーディネートなどというオシャレの話ではなく、そんなことはどうでもよくて、あくまで実用としての暑いか寒いかが大問題なのだ。
選択に失敗すれば、その日一日のツーリングが台無しになる。
寒さで震えながら走るか、暑くてジャケットを脱ぎ捨てたくなるか。
今回は、3月上旬だというのに、日中は春秋用の薄手のライジャケで充分だった。

秘境温泉で知られる奈良田だが、距離走った割りに、さほど秘境の風情は感じられなかった。

奈良田の集落。
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しかし寒かったなあ。

天気予報で寒気がどうこう言ってたから予想はしていたが、想像以上だった。

降って湧いたような平日休み。
先月、残業が多かったからその御褒美、とかじゃなくて代休。
世の中そんなに甘くないわけですよ。
そんなことはどうでもいいとして、行ってきました、富士スピーどウエイのカーとコース。

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待望の晴れ間はごく僅かで、ほとんどが曇り。
折り畳みの椅子広げて、のんびりまったりなんざ冗談じゃない。
走り終えたらクルマに籠もる始末で。
早めに到着したときは、激しく貸し切り状態だったが、10時前になって一台トランポがやってきた。
1000㏄のロード君だ。
軽々と振り回して、ずいぶんと熱心に乗ってたなあ。
1コーナー手前のフルブレーキングでは、ハーフロック掛けたときと同じようなリアタイヤのスキール音を派手に立てていた。
ひょっとしてスリッパークラッチが入っているのかと、帰って検索してみたら、メーカー標準装備でやんの。
最近はそうなのか、すごいね。
そのまま倒しこんだら勝手にスライド始めるんじゃないの?
高価なリッターバイクでそんな無謀なことは誰も試さないか。

さて、私もここんとこ少々クラッチ滑りぎみの230君でチャレンジしてきましたよ。
懸案だった、ストレートを走り切った先の1コーナーの右スライドも、なんとかさまになるようになったことが、この日の一番の収穫か。

サガミリバーの荒れた砂を固めたようなコンクリ路面と違って、ここはなめらかに良く滑る。
タイヤも削られるのではなくて、溶ける感じ。

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やはりサーキットはいいね。
しかし、この寒さ。
おまけに左足がつりそうになって、せっかく来たのにもったいないが午後2時過ぎには早々と帰り支度。
ま、無理は禁物ってことで。
リッターバイク君も引き上げにかかったようだ。

でも、この時間からでも走りにくる人はいるんだなあ。
走行準備にばたばたと、文字通りに走り回っていた。
入れ込んでますなあ。
そこまでのやる気が、私にはなんか羨ましいような、遠い過去のような。

『できるビジネスマンは、

お金を払って時間を買うが、ダメな人は時間を売ってお金を稼ぐ』
新聞に書いてあった一文を読んで、まさにその通りと笑ってしまった。
時間だけは売るほどある私は、バイク屋に払う工賃を惜しんで、自分でタイヤ交換を行うのであった。

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今回はフロントタイヤだ。
スライドで遊ぶ場合、フロントはさほど重視しないので(と言うより、ほとんどフリーな状態なので)、デコボコのオフタイヤでも全然かまわないのだが、真剣に練習に取り組んでいる他のライダーから(このオヤジ、前後のバランスとか考えないのかよ、ど素人のクソが)みたいな冷たい視線を浴びせられるのも嫌なので、重い腰を上げた(考えすぎか?)。

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ビートを出すのに少々手間取ったが、サクサクっと終了。
リアタイヤも、これくらい簡単に済めばいいのだが。
プロフィール

sichirin

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