12日目 内蔵の街増田

横沢公園キャンプ場には立派な炊事棟がある。

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椅子付きのテーブルが並んでいてコンセントも数か所に設置してあり、ちゃんと通電している。
水道の蛇口を捻るとモーターの作動音が微かに聞こえて水が出るが、貯水槽が老朽しているのか、錆の混じった濁り水だ。
しばらく放置していると濁りが消えるが、時間が掛かる。
このキャンプ場唯一の難点だが、無料で使わせてもらって苦情なんか言えた義理じゃない。
湯を沸かしパックのコーヒーを淹れてのんびり朝の一服。
この日も朝から晴れて日差しが強いが、風は涼しい。
携行缶からカブにガソリンを満タンに補給したら出発だ。
国道13号からナビの指示で雄平東部広域農道へと誘導された。
行き着いた先で案内標識に従って増田市街へと入った。

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ここは近年観光地として売り出し中らしい。
そのせいか駐車場やトイレの施設が追い付いていない。
こちらはカブなので困ることはないが、銀行裏の駐車場に屋根付きの駐輪場を見つけた。
ヘルメットと樹脂パーツだらけのカブは、駐車中の直射日光は出来るだけ避けてやりたい。
カメラ片手にブラブラ歩き出す。

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見所は内蔵なので外観からは分からない。
とりあえず手前の家から入ってみた。
見学料は200円。
良心的だ。
家主が待機していて案内してくれる。
内部はこんな感じ。

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全て見て回った訳ではないが、

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私的に一番のお勧めがここ。
うっかり外観を撮り忘れたのだが、薬局の店舗だったそうな。
とにかく、旧商品から宣伝看板まで良くぞこれだけ廃棄せずに残してたなあと敬服した。
ここまで来たら、もう全てが貴重な財産であろう。
以前宮ケ瀬のビジターセンターにあった、オモチャの北原(ナンでも鑑定団の)記念館を何故か思い出した。
こっちは薬局だが。

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この少女のポスターは今で言うなら3Dというやつか。
見る角度によって、飛び出して見える。
実に懐かしい。
見学者は私一人だったので、家主さんが丁寧に案内してくれた。
料金は300円。
この春から公開を始めたばかりだと言っていたな。
その内観光客が増加すれば料金も全館500円くらいに統一して値上がりするかもしれない。
周遊券のようなパスの発行もありうる。
そうしたほうが良いかもしれないな。
当然、料金は高くなるが。
行くなら、大型バスが停められるような駐車場がまだ整備されていない、今のうちということになるか。

真夏でも10℃低いという地下蔵。

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漆塗りの階段を上がって2階へ。

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往時の大工職人の技と誇り、そして廃墟マニア言うところの大量の残留物、この二つが同時に見られるのはなかなか貴重である。
奥の蔵。

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昔はもっと大量に保存食の樽が並んでいたそうな。

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他の蔵は床が板張りだが、ここは珍しく石葺きである。
そして私にとっての極め付けがこれ。
上がり框と言うんだっけ、これが植木鉢のずっと向こうまでの一枚板であった。

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これ、バーのカウンターにしたら幾らの値段が付きますかねえ?と私。
さあ、想像もつきませんが、と興味なさそうな家主さんであった。




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11日目 六郷湧水群

旧羽州街道を走って六郷湧水群を訪ねた。
その前に道路看板にあった払田柵跡を見物に。
田植えシーズン真っ盛りのこんな道なら迷うこともない。

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奈良から平安時代の役所跡らしい。

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復元された石垣のごく一部が当時のものであるそうだが、とくに感想はなし。

街道に戻り六郷へ。
市街に入り、さて湧水群は何処やら。
通りがかりのおばちゃんに聞くと、案内所があるからそこへ行けと言う。
すぐそこと言われた案内所へ行くと、係りのお姉ちゃんが地図にマーカーで線を引きながら親切に見所を解説してくれた。
しかし観光用のポスターというのは良く出来ている。
プロカメラマンの腕がいいというべきか。
私が撮影するとこの程度だが。

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似たような画像ばかりになるので途中省略。

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この湧水は趣のある古い建物の中庭にあった。

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古い寂れた神社に立ち寄った。

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社務所のブロック塀も傾いているし、てっきり無人の荒れ神社だろうと思っていた。
参拝を済ませた後だったか、社務所の窓のところに貼り出してある張り紙の内容を読んでみるかと近づいたら、左のカーテンの後ろに女性の顔が半分見えた。
正直ドキッとした。
まさか人がいるとは。
ちょっと躊躇ったが窓が10センチほど開いていたので側まで行ってみた。
中にいたのは作務衣のような服を着た柔和な顔の年配の女性だった。
素直に言うことを聞かない窓を何とか開けてくれる。
開けましょうかと言ったのだが「いえ」と断られた。
通いですかとバカな質問をすると、住んでますよと嫌な表情に変わることもなくお答えになった。
随分と痛んでるようですがと言うと、前はもっと酷かったらしい。
やっと本殿の屋根の修理が出来たんだそうな。
予算がなくてなかなか他まで手が回らないと言いながら、それでも女性はにこやかである。
宮司さんですかと聞くと宮司はいま出掛けてますということだった。
夫婦でお住まいということか。
これで、じゃどうもというわけにはいかないので、せめてお御籤を買うことにした。
それでもわずか100円だが。
私は初詣で神社にお参りしてもお御籤は引いたことがない。
お盆に散らばったあまたの籤の中から女性に選んでもらって、そのままポケットにしまった。
礼を言って帰りがけ、社務所横に止まった車から袴を履いた宮司が太鼓片手に降りてきた。
女性からよろしかったらどうぞと貰った由緒書きには、この神社の名は秋田諏訪宮とある。
創建は802年。
信濃國から諏訪大神を奉じて征夷中の大将軍坂上田村麻呂の命を受け、 「拂田柵」を造営中の副将軍文室綿麻呂により柵の南に創建。
「拂田柵」とは、ここへ来る途中寄ったあそこか。
宮司さんは創建から続く40代目であった。
また 『 明治天皇御巡幸に際し、宮司宅(社務所)を御小休所とする。(建物現存)』とある。
画像にある壊れかけた離れのような建物がそれであろうか。
少額なりとも寄付してくればよかったと、今になって後悔している。
神社脇の道を隔てた休憩所に寄り、名水抹茶350円で一休み。
おばちゃん一人とおばちゃんと呼ぶにはちょっと失礼かなという女性が一人。
今後の見所を聞くと、ちょっと距離があるが増田の内蔵の街が、いま観光地として売り出し中で良いところだそうな。
その際、パンフの地図を持ってきて私の傍らに立って説明してくれたのだが、この日は晴れて気温が上がったこともあり、ここんとこ風呂に入ってないなあと不安になった。
観光はここで切り上げキャンプ地に戻り、着替えと風呂道具を前カゴに入れて初日に周辺説明を受けた温泉へ。
この温泉は露天風呂のある小さな浴槽と、露天のない大き目の浴槽の2種類あるというので大き目へ。
多分空いているだろうと思ったら貸し切りだった。
大広間では昼下がりのまだ早い時間であるが、老人たちがカラオケ大会で大盛り上がりだった。
私も、もう少し年を取ったらこういう楽しみに向かうのだろうか。
キャンプ地に戻ったらパソコンとビール抱えてWi-Fiの東屋へ。
ここの唯一の難点は西日がもろに直撃することである。
この日は昨日の女の子二人にもう一人加わって楽しそうに何かやってた。
お邪魔しますと一声掛けた。
ふとポケットのお御籤を思い出し、開けてみた。
中吉。
旅立ちの行を読んで思わず笑ってしまった。

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今回の旅を神様に保証された。
出来すぎでしょう。

カブ走行距離 34キロ





10日目 横沢公園キャンプ場にて終了

朝早く田代スポーツ公園を後にして昼頃到着した。
ちょうど昼休みの時間だったが係りのおっちゃんは親切に対応してくれた。
木陰を定位置に決め、カブを降ろしたらキャンプ地を散策。

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少し離れた東屋までクラブハウスのWi-Fiが飛んできているのをスマホで発見した。
パスワードも要らない使い放題のWi-Fiだった。
さっそく東北旅のために年末セールで購入したノートパソコンを持ち出して、久し振りのお気に入り巡回だ。
スマホの小さな画面に目を凝らすよりこちらの方がずっと良い。
昼間っからビールを飲みながらあれこれ検索していると、小学校3年生の(彼女たち談)女の子が二人、ピカピカの自転車でやってきて板の間に上がり込み、ぺたんと正座してお喋りを始めるのであった。

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ビールを飲みながらパソコンに向かっている怪しいおっさんであるはずの私を、彼女たちは全く意に介さない。
二人のちょっとませた深刻な話題であるらしい会話を聞いていると、マウスを操作する私の手も滞る。
折しもニュースを騒がせたベトナム少女も小学3年だったか。
やがてふてぶてしいおばさんに変貌するかもしれないにしても、ちらちらと好奇心の目を向けてくる純真な少女たちは何かあったら絶対に守るべき存在であるはずだ。
それが正常な大人だろう。
犯人は即刻死刑でいいのではなかろうか。
私はそう思う。

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この日は移動のみで、あとは沈没。

サンバー移動距離127キロ

9日目 阿仁方面

朝4時起床。
寝るのが7時とか8時なので、当然起床は4時やら5時やら。
健康的な生活ではある。
浴場とキャンプ場の中間にある、通りに面した自販機まで歩いて、朝の缶コーヒーホットで一服する。
天気予報では晴れマークだが7時半になっても薄曇りで寒い。
予報を信じて手洗いで洗濯を済ませた。
画像は夕方帰着した時。
しっかり乾いていた。

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前日は薄着で寒かったのでこの日は準冬装備であった。
バイクで長期旅を続けるライダーは冬ジャケをどうしているのだろうか。
小さく畳みようがないし、パッドが入っていれば猶更嵩張る。
県道68号線に入ってみた。

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山瀬ダム。

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ダムに沿って奥へと進むと、

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ダートに変わった。
行けるところまで行ってみたい誘惑に駆られるが、ここは秋田である。
山梨や群馬ではない。
何かあったらおいそれとは戻ってはこれないだろう。
民家もないし、途中で見切りをつけて引き返した。

道の駅ひない

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秋田はとにかく道が良い。
その理由を地元の人に聞いたら、土地が安いから幾らでも広げられると言っていた。

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ただ、あっけらかんと広い道が続く。
県道バイパスを避け旧道の集落に入ってみても、期待した古民家の類は見当たらない。

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だだっ広い駅前広場。

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キャンプ場の予約は今日までである。
延長したからといって利用者は私だけなので断られる筈もないが。
スーパーに寄って総菜とビールを仕入れてキャンプ場に戻った。

カブ走行距離128キロ



8日目 その2 素波里ダム

県道322号線に入ってみた。
未だにマタギの里らしき風景には出会えていない。

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素波里ダム湖畔公園のキャンプ場。

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地元の人の話によれば山梨から来た釣り客のボートが転覆し、一人は助かったが残り二人は行方不明になり、その死体はまだ上がってないという。
水深の深い天然の湖なら分かるが、ここはダム湖である。
捜索しても見つからないというのが不思議だ。

ダム湖の端にあった素波里神社。

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朽ちかけた大鳥居に魅かれて下をくぐった。

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参道を歩いていると珍しく背筋にゾゾッとくるものを感じた。
こりゃヤバいところにきたかと思いながら真昼間ではあるし、何とか参拝を済ませた。

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神社の創建は不明という。
この地は古くは谷の狭まる景勝地であったらしい。

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土着の古神はダムが出来たことをお怒りなのだろうか。
昔は60人からいたマタギも今は13人に減ったという。
日が傾いてきてキャンプ場に戻った。

カブの走行160キロ



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